ayumu_aoの日記

SIerから事業会社に転職したエンジニアが技術についてや組織論、本の話、今までの体験談などなどを個人的に垂れ流しています。

OKR手法を見てこないだイベントで話したKGI/KPIについてまとめてみる

OKR手法を見てこないだイベントで話したKGI/KPIについてまとめてみる

目次

  • OKR手法って?
  • KPIとかKGIってなにもの?
  • どこが違うの?(まとめ)

OKR手法って?

Objective and Key Result(ゴール(目的・目標)と主な結果)の略です。

『Objective(ゴール(目的・目標))』という項目と『Key Result(主な結果)』という項目を設定します。

『Objective(ゴール(目的・目標))』では

  • 限界を超えることを目標とし、野心的でありながら現実的で、僅かに手の届かなさそうな高いレベルに設定すること
  • 定量的である必要は無い

といった観点で目標を設定し

『Key Result(主な結果)』では

  • 期限や数値目標といった定量的な指標を使った測定・評価が可能であること
  • 客観的な検証が可能であること
  • 一つの『Objective(目標)』に対し4つ程度(最大で5つ以下)に抑えること

といった観点で達成目標指標を設定します。

これだけだとどういうことかわかりづらいのでどのように利用するのか例をあげてみます。

  • 企業としての設定を行ないます
    • Objective(ゴール(目的・目標)):企業規模を1.5倍にする
    • Key Result(主な結果):
      • 1年後の年間売上100億
      • 1年後の社員数500人増
      • 1年後に新規事業を1つ立ち上げる
    • 各部署・部門に共有し会社のKey Result(主な結果)を達成するための設定をおこなう
    • ※例えばECサイト部門
      • Objective(目標):売上額2倍
      • Key Result(主な結果):
        • 3ヶ月後に月間売上額:5億円増
        • 3ヶ月後に商品数  :1,000個増
    • ※例えば人事部門
      • Objective(目標):社員数1.5倍
      • Key Result(主な結果):
        • 3ヶ月後までに逆求人イベント参加数:昨年比10イベント増(3ヶ月間合計)
        • 3ヶ月後までに中途採用人数    :昨年比40人増(3ヶ月間合計)
    • ここから個人のObjective(目標)、Key Result(主な結果)に落としていきます。

例に上げた内容を見ていただくとわかるのですが、企業が成長するために部署・部門、個人がなにをしていけばいいのか紐付いています。

その結果なにがおこるかというと個人の目標達成・成果がそのまま企業の成果につながっていきます。

企業自身の成長=個人の成果になるので個々人の評価もしやすくなる環境ができあがり、成長していく 組織・働きやすい組織になっていくことができる可能性を秘めた手法なのではないでしょうか。

KPIとかKGIってなにもの?

まずは用語の整理から

  • KGI(Key Goal Indicator):プロダクト、事業のゴール
  • CSF(Critical Success Factor):KGIを達成するための要因・重要成功要因
  • KPI(Key Performance Indicator):CSFから発生したプロジェクトの成功指標・目標、中間指標

決める順番は上から順に「

「プロダクト、事業がどうなりたいのか」を決め

「そのために必要なことってなんなのか」を考え、仮説をたて

「その仮説を実現しようとしたときにどうなったら実証できたとする」かを決定します。

流行り言葉のように「KPIを決めなきゃ」というのはよく耳にしますが実はその前に決めなければ行けない物があります。

そしてそれが決まっていればKPIを決めなきゃとはならないのです。

例をあげると

  1. 現状月売上1000万のプロダクトで1年後に月売上を2000万円にアップするとKGIを決める ※KGIの決定
  2. そのために必要な要因の洗い出し ※CSFの洗い出し、仮説設定
    1. 顧客数の増加
      1. 広告を打つ
      2. SEO対策をする
    2. 商品数の増加
      1. 出品フローを見直す
      2. デザインコンテストをおこなう
    3. 購入率の増加
      1. 購入導線の整理
      2. ワンクリック購入を設置
  3. 各要因、仮説に対しての指標・目標を決定 ※KPIの決定
    1. 広告からの新規顧客流入数:広告出してから1週間で10000万人
    2. SEO対策によりGoogle検索からの流入数:3ヶ月後に現状の昨年比比較からの伸び1.2倍
    3. 出品フローの見直しによる出品数増加率:3ヶ月後に現状の昨年比比較からの伸び1.5倍
    4. デザインコンテストをおこなう事による出品数:コンテスト期間中に1000商品
    5. 購入導線の整理による購入率:3ヶ月後に現状の昨年比比較からの伸び1.1倍
    6. ワンクリック購入を設置による購入率:3ヶ月後に現状の昨年比比較からの伸び1.15倍

のように考え、仮設を立て数字を設置してみる。

これらを施策を実施し効果を測定し設定したKPIが達成できたことでKGIに対してどのようなアプローチになっているのかを分析することが大切です。

けっしてKPIのみを達成すればよいというものではありません。

また重要なこととしてこれらのKGI、CSF、KPIに関してはプロダクトに関わるメンバー全員の共通認識でなければいけません。

誰かの頭の中にのみある状態や言われなくてもわかるでしょという暗黙知の状態は認識の齟齬や組織の不和を産むため排除しなければいけません。

ここまでであげたようにKGI、CSF、KPIとはプロダクト(事業)を基点とし設定するべき項目になります。

どこが違うの?(まとめ)

あくまで個人的な所感ですが、おなじ目標を設定し共通の認識としてチーム・組織が一丸となって取り組むべき指標ですが

チーム・組織を基点とした考え方であるか、プロダクト・事業を基点とした考え方であるかの違いとして使い分けるのがよいと思います。

OKR手法が向いていると感じるのは組織、キャリアに対しての指標・目標設定であり逆に仮説などが必要になるプロダクト(事業)の成長を促すための指標には不向きであるのではと感じるからです。

逆にKGI設定などは仮説などが必要になるプロダクト(事業)に向いていて定まった目標に対して脇見をせずにひた走る組織、キャリアに対しては不向きではないでしょうか。

ただ、併用してはいけないというものではないのでどの視点・基点でたてた目標、指標なのかを使い分けながらよいとこどりをするのが正解なのかもしれません。