ayumu_aoの日記

SIerから事業会社に転職したエンジニアが技術についてや組織論、本の話、今までの体験談などなどを個人的に垂れ流しています。

遅刻の価値は?

遅刻の価値は?

今回は遅刻について掘り下げて考えてみたいと思います。

今回の論点は遅刻とは評価に含むべきかというものです。

  • 遅刻しても成果をあげればいいだろう
  • 遅刻は絶対にしてはならない

日本の企業はこの2大派閥に別れるので、それはなぜなのかというのを新生活や査定のこの時期に考えてみます。

なぜ遅刻をしても成果をあげればいいのか

これは遅刻事態がその企業の損にならない・損として捉えない場合はこのタイプの評価になっています。

こういう企業は得てして成果のみを評価する傾向にあると考えられます。

日本古来からの人情で評価する(勤続年数の長さや上司のお気に入りか、周囲と仲が良いかなど)のではなく純粋にその人間が行った行動がどれだけ企業の売上(ないしはわかりやすい貢献)に繋がったかという1点だけで評価するタイプの企業です。

ではそこで働く社員の立場として考えてみるとどのようなメリット・デメリットがあるでしょう。

メリット

  • 自分(チーム)のことだけやっていればよい
  • 成果がダイレクトに評価につながる
  • 誰が見てもその評価に問題がないという公正な評価にちかい評価を受けることができる

※3番目に関しては評価が不当だと感じたら抗議しやすいというのも含みます

デメリット

  • 他人との競争に陥りやすい
  • 能力がなければ余裕が持ていない
  • 成果が不足すればすぐに追い抜かれる

といったところでしょうか。

次になぜ「遅刻は絶対にしてはならない」のかを考えていきます。

なぜ遅刻は絶対にしてはならないのか

これは遅刻事態がその企業の損だと捉える場合か勤怠でしか評価できない人を抱えている企業だと考えていいでしょう。

例えば、イベント関係の仕事や店舗などの仕事は遅刻というのはビジネスの開始時間に直結するため損だと捉えるのは当然でしょう。

しかし、古くからいて能力がないまたは能力はいらないし金を産まないが必要な人員を大量に抱えている企業などもあります。

そういった人の評価は毎日ちゃんと時間通りに出社しているかという点でのみしか評価できないため、その評価軸が他の能力のみで評価できる人間にまで派生していくという現象が発生します。

公平な評価という名の悪循環でしょう。

おなじようにそこで働く社員の立場からどのようなメリット・デメリットがあるか考えてみましょう

メリット

  • 毎日時間通りに出勤すれば一定の評価がもらえる
  • 能力が足りなくても気が引けるという心情に陥りづらい
  • 生活リズムが整えやすい

デメリット

  • 成果が遅刻で相殺されて評価されない場合がある
  • 仕事ができる人間より毎日時間通りに出社する人間のほうが重宝される傾向がでやすい
  • 会社に時間通りに来ることが仕事になりほかは蛇足だと感じやすい

遅刻をする人間にいい仕事なんか出来ないというのは本当か

個人的な意見ですが、これは嘘です。

遅刻をする人間だろうが能力を持っている人間は持っているし、アイディアを出せる人間は出せます。

Web業界の現場なんかではむしろ勤怠なんかどうでもいい!って振り切っている人間のほうが能力もアイディアも豊富な場合が多かったです。

だからといって遅刻をしていいかという話は別ですが、、、

遅刻というのは信用の話になります。

デートや友人との待ち合わせのときに毎回1時間とか遅刻されるとイライラするし信用もおけないですよね。

基本はそれと一緒です。信用を失わないためには遅刻はしないほうがいいです。

やっぱり遅刻は評価すべき?

前述で遅刻はしないほうがいいと書いているので遅刻は評価すべきなの?ってところに関しても所感を書かせていただきます。

  • 全く評価しない
  • すべての査定項目に補正で入る

などの両極端な評価制度になってしまうことは避けたほうがいいと考えます。

たとえ、会社として価値に直結しないとしてもMTGなどへの遅刻も癖になってしまうためある程度の割合で勤怠というものを評価に含むべきだと思います。

しかし、「すべての査定項目に補正で入る」となると

時間通りに来るが何も成果がない人間 = 遅刻は多いが半年で1000万の売上を上げる人間

というように企業に大きなお金を産んだ人間となにもできなかった人間(悪くいうと穀潰し)が同じ評価になってしまいます。

そして、一定以上の大きさと歴史を持っている企業はそういう事態が往々として発生し、(能力だけ見れば)有能な人間が離れているというのも実態でしょう。

このような事態を避けるために評価制度の整備としては例えば勤怠評価は1割程度入るなどの形でルールとして明言し社内規定や評価基準として最初に社員に告知するべきでしょう。

多くの企業では後出しのように最後のマイナス補正として遅刻という言葉を使うことが多いのでそれは社員から企業への信頼を失うものになるのでやめるべきでしょう。

最後に

これから就職や転職をされる方は遅刻に限らずその企業の評価制度などをできるだけ細かく確認しておいたほうがよいです。

文中で書いたとおり時間=価値の業界(イベント関係・店舗関係など)に勤めるのであれば勤怠というものは評価軸の大きな割合を占めます。

しかし、エンジニア業やクリエイター業などの製作物が評価されるべき業界においても勤怠が大きく評価に関わってくる企業は多くあります。

評価制度が自分に合わないとそれだけで1年(ないしそれ以上の)人生を無駄に過ごすことになりかねません。

なので企業に所属する前に評価制度は可能な限り確認しておくことをおすすめします。